金田少尉の里帰り

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これは儺禍嶌くんと鶴多が金田少尉の季節外れの帰省に強制的につきあわされたときに起こった出来事なのだ…
儺禍嶌くんと鶴多は金田少尉の監視役を命じられ彼の実家へ向かう汽車に揺られていた。鶴多の腹は時おりモゴモゴと動いており儺禍嶌くんが指摘すると中からタヌキ(アライグマ)が顔を出した。

タヌキ(アライグマ)「ぽこぽ…」
タヌキ(アライグマ)は鳴こうとしたが儺禍嶌くんに服の中に押し戻された
儺禍嶌くん「貴様っ何連れてきてるのであるっ」
鶴多「これから寒くなるので防寒具として持ってきました」
儺禍嶌くん「現地調達すればよいであろう」
鶴多「それがドングリは採取された地域でしか使えないので…」

鶴多「肆国まで行くとなると僕のドングリは無価値になるのです」
儺禍嶌くん「ドングリ社会にそんな規則があるのであるか」
鶴多「ええ、彼らはナワバリの外から来るものには敏感なので…」
儺禍嶌くん「ということはそのタヌキも危ないのではないか」
鶴多「あっ…!しまった!!」

鶴多「すまないなタヌキ…僕から離れるんじゃないぞ」
タヌキ(アライグマ)「ぽこぽん」
儺禍嶌くん「まあでも今回向かう場所なら大丈夫かもしれないのである…」
鶴多「金田少尉の実家ですよね」
儺禍嶌くん「ああ、これは極秘事項であるがまあいいか…あやつの家は代々…タヌキのキンタマを揉んでいるのである」

やがて駅につき、別車両に乗っていた金田少尉と合流するため2等車の方へ向かいプラットフォームを歩く。
鶴多「2等車の方もなかなか快適そうですね、僕らは1等車に乗りましたが」
儺禍嶌くん「金田少尉は元々2等車であったが付き添いは3等車を手配されていたのである」
鶴多「なるほど!しかし儺禍嶌殿が乗ると知った事務方が1等車に取り直したのですね」
儺禍嶌くん「いや自費である。3等車なんぞのれるかっ」
前の方を見ると金田少尉が見えた。赤の軍服をきているので目立つ。金田少尉の横にはめちゃくちゃ巨乳の女がいる。出迎えらしい。

乳に目をやり色めきたつ儺禍嶌くんと鶴多 女は冷たい目で儺禍嶌くんと鶴多を一瞥した後に軽く一礼をした。
女「こちらへどうぞ。」
3人は駅前に待機していたいくつかの人力車に乗り込む。勝春が乗った車が先をゆき、その後に儺禍嶌くんと鶴多が乗った車が続いた。
鶴多「な、儺禍嶌殿見てください!」

揺れる荷台の上から鶴多は車夫の股間を指差す。
鶴多「前から見た時は気付きませんでしたが…キンタマがすごくでかい!」
儺禍嶌くん「ハァ?そんな言うほどでもなかろ…ホンマや」
かろうじて前掛けで隠れてはいるものの、ふんどしでは巻ききれないほどでかいキンタマが荷台と共に軽やかに揺れていた

人力車は街を抜け左右を山に囲まれた谷間を進んでいく。そこに大きな屋敷があり、正面には大きな杉玉が2個ぶら下がっていた。 やはり巨乳の女がずらりと並んで人力車の到着を待っていた。
女「おかえりなさいませ勝春様」
金田少尉が女に連れられ、その後をゾロゾロと出迎えの女達がついていく。

ポツンと玄関の外に残される2人
儺禍嶌くん「おい小生達も案内するのである!」
鶴多「なんかあまり歓迎されてないようですね」
儺禍嶌くん「小生は上司であるときちんと伝えてないのかあやつは」

すると玄関と中庭を区切るように立っている壁についた小さな使用人用とおぼしき扉が開いた。 目の下にクマをこしらえた顔色の悪そうな少年が2人に呼びかける。
少年「勝春様の付き添いの人だよね、こっちへどうぞ」

隠れるように離れに通された儺禍嶌くんと鶴多
少年「母家の方は今一番忙しいんだ。用があるならボクが聞きます」
儺禍嶌くん「それで人手がなくてこんな礼の欠けた少年を小生につけたわけであるか」
少年「勝春様を人質にしてる相手にしてはこれでも礼は尽くしてる方でしょ」
鶴多「え?人質って?」

少年「なんだこっちの人は知らないんだ」
少年は鶴多を見て言う。
嶌「フン、貴様が事情を知っているなら話は違ってくるのである。感情で物事を動かすと後悔するぞ。貴様がした事が貴様の敬愛する者に返る事を忘れるなよ」
口が三日月のようになって儺禍嶌は笑う。 少年は顔を曇らせて下がっていった

部屋は静かで、今は離れに儺禍嶌くんと鶴多しかいないようだ
鶴多「儺禍嶌殿…先ほどの…金田少尉が人質というのは…」
嶌くん「ああ…マジで初耳だったのである」
鶴多「え?」
嶌くん「小生が受けた命は金田少尉がタヌキのキンタマを揉みに帰るからついていって連れて帰ってこいというだけである」

儺禍嶌くん「しかしあやつの言動で大体理解したのである。」
鶴多「金田少尉は”必ず”連れて帰らなければならないということですね」

タヌキ(アライグマ)「ぽこぽん…」
鶴多「あ、忘れていた。今は出てきていいぞ」
儺禍嶌くん「ついでにこのタヌキも揉んでもらうていで貴様親睦を深めてきてはどうであるか。」


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